9月のお知らせです。
9月のお知らせです。
皆さん、こんにちは
なかなか秋らしさその片鱗も見えてこないですね。困ったもんです。おかげでもうあまり暑さを意識しなくはなりましたが。さて6月半ばに東京で演奏した帰りに、ベースの光田君と楽器を載せ、さらに横浜に引っ越してきたマットに、じゃ関内まで帰るから僕の車に乗ったらと勧め、ギターも積んで3人で帰りました。そこで帰り道マットが漢字について根掘り葉掘り質問してきたんです。僕は中国や中国語にも触れつつ、漢字の説明をしました。漢や明、晋など、漢字といっても、じつは中国のあらゆる時代、場所から来ているから、理解するだけでも大変ですし、それをアメリカ人に判るように説明するとなるともっと大変です。
漢字は難しく、書くのも読むのも大変です。西洋人にとってこんなに手強いものはないでしょう。でも日本人もドンドン書けなくなってきています。コンピューターや携帯電話がさらに漢字を書く機会を減らしていますから、当然ですね。本家の中国はとくに漢字の難しさに苦しんできていて、その簡略化を大きく進めてきています。韓国はハングルの使用で漢字を駆逐しました。しかしハングルでは知識や教養が深まらないということに気づいて、韓国は漢字の見直しを進めているようです。日本は漢字以外にひらがなやカタカナがあったので、事情が少し違っていました。外国のものをカタカナで採りいれるのは、戦後の日本の復興を早めたと言えます。日本が30年ほどで急速な経済成長をへてGDP世界第二位の大国になれたのは、ひとえにこのカタカナが西洋の科学技術の摂取を容易にしたからだとよく言われます。ハングルは日本のカタカナといくらか似ているにしても、韓国が漢字とハングルを併用していたら、もう少し事情が違っていたかもしれません。が逆に中国は仮名を持たないために、西洋の科学技術摂取に遅れをとったと言えます。
しかし、しかし、です。カタカナが日本人の科学技術への順応性を高め、高い経済成長を可能にしたというのは事実なんですが、一方で、そのカタカナはインチキ英語を氾濫させ、それによって英語教育全般を破壊し、ついには日本語をもダメにしたと言えます。つまりカタカナの融通性は便利な反面、自国の文化を売り渡すことにもなったんです。僕は運転しながらそのことをマットに力説しました。その最大の責任は、文部省(現文部科学省)のデタラメ日本語=日本文化・行政にあるでしょう。政治や官僚行政の堕落はいつでもどこでもありますが、この第二次世界大戦後の半世紀の文部省の日本語=日本文化・行政ほどに、罪の大きいものはないですね。日本文化を失墜させた、古い言葉を使えば「売国奴」みたいな罪悪です。そのツケはこれから日本人自身が、百年、二百年、あるいはもっと時間をかけて、払わされるんです。あるいはその前に、日本文化そのものが崩壊してなくなっているかもしれませんね。
7月末にマットがニューオルリンズからはるばるやってきた彼のお父さんをファーラウトに連れてきました。お父さんはR&Bとブルースのピアニストで歌い手で、早速われわれに弾き語りを聴かせてくれ、いやもうこれは実に実に素晴らしかったです。この日のお客さんはまさに幸運でずいぶんと得をしました。そして終わってからマットが両親を送り出し、少しして戻ってきて残ったわれわれ従業員とミュージシャン相手に話し始めました。中学校で英語の先生をしている彼は「カタカナは英米人に理解不能の英語を氾濫させ、それによって日本人の英語教育そのものを破壊し、ついには日本語をも汚している」と力説しました。それはまさに僕が車の中で彼に言ったことでしたが、彼の意見は英語教育の実際の中からにじみ出てきた苦汁に彩られています。「プライス・ダウン」「ゲットする」「モチベーションが高い」など、いったいこういう表現のどこがいいの? 日本語はそれ自体で充分美しく完成している言葉なのに、なぜそれをこんな汚いインチキ英語で汚すんですか? もちろんわれわれには答えられないし、それを弁護することもできません。みんな力なく笑いながら、ブツブツ言って、それでお終いです。
カタカナを持たないために科学技術摂取に遅れをとった中国もいまや世界一の経済大国になり、これからは中国人も漢字を読めなくり、古来の中国文化を喪失する時代が来るかもしれません。ですが安易な文化移入手段たるカタカナを持たず現代に遅れをとった中国人は、反対に日本のように自国の文化を売り渡す愚を避けられたとも言えます。それがこのところ日本や韓国よりももっと急速に現代化したため、そのしわ寄せの方もかなり大きいものとなりそうですね。僕は数ヶ月前に中国の共産主義が自然崩壊するのではないかと、この欄で書きましたが、それは誰にも判りません。インドも急速に現代化してきましたから、これからカースト制度も壊れ、インド文明自体が崩壊の危機に晒されるでしょう。遅れていた開発途上国は、どこもかしこも急速な現代化のために、文化的危機に直面せざるを得ないのでしょう。
テレビは地方も都会もみな同じ番組を見て、日本人に地方性を喪失させてきました。山一つ超えるともう言葉が違ったという、日本の昔の方言はもうなくなりつつあります。さらに若者は同じTV番組やインターネット・サイトを見て、地方性だけでなく個性をも喪失してきています。カタカナは、英語文化を吸収するのではなく、日本人が「英語」だと考える似非文化を作りあげ、日本文化自体を破壊し、結局、日本人が「日本人」という国民性、個性をも失う結果をもたらしました。やはりこれからそれぞれの固有の文化を失っていく中国やインドの人たちとあまり変わらない「文化喪失人」と、日本人もなっていくのでしょうか? 経済的繁栄をもたらし文化的荒廃をもたらしたカタカナは、両刃の剣というわけです。
8月お知らせです。
皆さん、こんにちは。
暑いですね。気候そのものがだんだん暑くなるんだと、周囲で多くの人たちが言います。温暖化は進みこそすれ戻りはしないし、その進行が緩和することもない、と言われます。そうかもしれないですね。暑いから余計に冷房を使い、それがさらに外気温を暑くしますね。夏は僕は自転車で通勤したりしますが、昼暑い盛りに出てくると、途中の中村川のわきあたりでタクシーや配達の車が炎天下でエンジンをかけて冷房を回しながら昼寝をしているのを見かけます。今こんなに恐ろしい罪悪はないかもしれないですね。すぐにでも法律で罰する処置をとるべきでしょう。でも政治も制度もこんなことには無関心です。
以前書きましたが、アメリカの野球選手で日本のプロ野球に来て、4、5月とプレイして、6、7月頃でしたか、突然姿を消した変なのがいました。それで調べたらアメリカに帰っていたことが判明し、その理由は不明でした。でもしばらくして判ったことは、彼は日本の梅雨が初体験で、この地獄のような殺人的百%湿度が耐えられず、黙って帰国したというんです。ま普通の日本人なら笑うでしょう。彼は快適なホテルかなにかをあてがわれていたはずですし、一般日本人はずっと木造のチャッチイ家でこれをやり過ごしてきたわけですから、お話しになりません。ところで僕はまだ冷房なしでこの日本に生きています。テレビ局が取材に来てもいいんですがね・・・
このあいだお客さんのトニーとコックのネイサンが話しているところに僕も加わりました。そしたら二人の話題がこの暑さに及んだんです。ネイサンはハワイに長く海や日光浴が好きなので、初めて日本に来たときにどこかの海でドカンと焼いたら、火ぶくれになって全身大やけどみたいになり、救急車で運ばれたと言います。彼はこんなの初めてで、ハワイではいくら焼いてもこんなことはなかったと言います。トニーはマレーシア出身で、東南アジアのあちこちで住んだ経験があり、暑さには慣れっこなのに、この日本の暑さのようなものはほかでは経験がないと首をかしげます。やはり東南アジアでも火ぶくれになるようなことはないらしいです。
そこで僕はもともと「日本」とは「日の本の国」という意味で、太陽の存在が強く大きいんだと二人に言いました。この「日の本の国」「日の出ずる国」というのを僕はうまく英語で言えず、二人は今ひとつ納得していませんでしたが、まあ言わんとしていることの意味は汲んでくれたようです。だから日光が強いのは仕方がなく、温暖化に関係なく、昔からみな焼きすぎれば火ぶくれになり、子供の時僕もそういうことを経験しています。僕は日焼けに強く、火ぶくれにはならないけれど、背中が真っ赤になって夜痛くて眠れなかったことは何度もあります。ある女性歌手が海へ行ったとき、用心して白いタオルなどで体を覆っていたにもかかわらず、火ぶくれになって大騒ぎしていたのを思い出します。
僕は世界の神話に詳しいわけではありませんが、たとえばギリシャ神話では、大地の女神ガイアが生まれ、夫である天空の神ウラノスを産み、その後二人は、山々、木々、花々、鳥獣、星々を生み出し、やがてウラヌスが降らせた雨が、大地に水をたたえ湖や海を作ります。つまり太陽が真っ先というわけではないんですね。驚くのは、15世紀頃まで栄えたインカ帝国の神話です。インカでは「マリファナは初代皇帝マンコ・カパクManco Cápac(現在でもペルーの空港の名前として残っている)が神から授かって地上にもたらした」と言います。マリファナは疲れを取り、多くの病気を治してくれ、人々にとってかけがえのない大切な植物だったんです。マリファナはともかく太陽が最初のに出てくるわけではありません。人間文化は世界のあちこちで、違う世界観を作っているということでしょうか? まあこんなふうに、日本ではどうも「日」の存在が大きいようで、そんな実感を改めて強くする七月でした。
では八月です。この暑さをしのぐにはファーラウトで音楽を聴くしかないですね、はい。7日お昼はたった500円飲み物1杯つきでビッグバンド・ジャズが楽しめます。ぜひいらしてください。11日は九州から大物ピアニスト吉岡かつみ(p)の登場です。彼女のピアノは、じつのところ、聴かないと損ソンですよ。12日はGroove Sessionが初出演です。17日はバイト嬢総出演最重要日、20日はマーサmartha(vo)のグループ、21日は大阪から森智彦(gt,vo,dr)が、22日は長野から麻場美穂(vo)が出演です。26日は玉井タツヤ故郷帰還お別れ会パーティですので、皆さんいらしてください。27日は恒例の美紀子(vo)奈歩(talk)みどり(p)の"音の葉、言の葉コンサート"です。ジャム・セッションは2、13、15、24、29、31と6回もあり、15日は帰郷できない孤独人救済特別企画3時から「死のジャム・セッション」で、美人トランペット高澤綾(tp)の参加、29日は暑さ対策1時からの昼ジャムです。
- by ジャズクラブFAROUT-ファーラウト-
- at 2010年07月28日

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